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【第12回】借り手の事業内容を聞き取る際のポイント(所有者向け)

2026年09月19日

【第12回】借り手の事業内容を聞き取る際のポイント(所有者向け)

工場・倉庫の賃貸で最も重要なのは、**借り手の事業内容を正確に把握すること**です。  
川口市周辺は築古物件が多く、設備負荷が事業内容と合わないと、契約後に大きなトラブルになります。

所有者が事業内容を浅く聞いてしまうと、  
・騒音  
・排水  
・電力容量  
・消防設備  
・車両動線  
など、あらゆる設備で不一致が発生します。

ここでは、所有者が必ず聞くべき項目を体系化しました。

1. 具体的な作業内容(最重要)

借り手は「軽作業です」「検品です」と言いがちですが、  
その言葉は非常に曖昧です。

必ず聞くべき内容  
・何を作る/加工するのか  
・どの機械を使うのか  
・機械の音の大きさ  
・作業時間(昼/夜)  
・人数(何名で作業するか)  

理由  
作業内容が曖昧なまま契約すると、  
騒音・振動・消防・電力の全てで不一致が起きます。


2. 使用する機械の種類と電力負荷

築古工場では電力容量が不足していることが多いため、  
機械の種類を聞かないと契約後に必ず揉めます。

必ず聞くべき内容  
・三相200Vを使うか  
・機械の消費電力(kVA)  
・同時稼働する台数  
・電力増設の必要性  

典型的なトラブル  
「機械が動かないので電力増設してほしい」  
→ 所有者が負担を求められる。

3. 排水の種類と量

排水は事業の成立に直結するため、必ず深く聞く必要があります。

必ず聞くべき内容  
・水を使う作業があるか  
・排水量(1日あたり)  
・油分・薬品を含むか  
・床洗浄の頻度  

典型的なトラブル  
「油分を含む排水が出るので排水工事が必要」  
→ 所有者が費用負担を求められる。

4. 火気使用の有無(消防設備に直結)

火気を使う業種は、消防設備の基準が厳しくなります。

必ず聞くべき内容  
・溶接の有無  
・塗装の有無  
・火気を使う機械の種類  
・可燃物の保管量  

典型的なトラブル  
「消防署から指摘が入り、消火設備の追加が必要」  
→ 所有者が大きな工事を求められる。

5. 車両の種類と動き方

車両動線は、事業の成立に直結します。

必ず聞くべき内容  
・車両サイズ(軽/2t/4t/大型)  
・1日の出入り回数  
・荷物の積み下ろし方法  
・道路で停車する可能性  

典型的なトラブル  
「4t車が入らないので事業ができない」  
→ 契約解除や損害請求のリスク。


6. 作業時間と騒音の可能性

用途地域と近隣環境に直結するため、必ず確認します。

必ず聞くべき内容  
・作業時間(昼/夜)  
・騒音の出る機械の有無  
・車両の出入り時間  

典型的なトラブル  
「夜間の車両音で近隣から苦情」  
→ 所有者が対応を求められる。

7. 借り手の“将来の事業計画”

借り手は契約後に事業内容を変えることがあります。

必ず聞くべき内容  
・今後導入予定の機械  
・事業拡大の可能性  
・車両台数の増加予定  

理由  
将来の設備負荷が増えると、  
電力・排水・消防・車両動線の全てで不一致が起きます。


まとめ:事業内容の聞き取りは“設備トラブルの予防”

所有者が事業内容を深く聞くことで、  
・設備負荷の不一致  
・騒音トラブル  
・排水トラブル  
・消防設備の不適合  
・車両動線の問題  
など、契約後のトラブルを大幅に減らせます。

**事業内容の聞き取り=トラブル予防の最重要工程**  
と捉えることで、  
・適合する借り手が見つかる  
・契約後の負担が減る  
・賃料設定が適正になる  
というメリットが生まれます。


次回は、「設備負荷と賃料の関係(所有者向け)」について解説します。
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