048-254-1811

営業時間 9:00~17:00
定休日 土曜日 日曜日

【第6回】工場・倉庫の相続方法の選択 (単純承認・限定承認・相続放棄の判断ポイント)

2026年10月02日

【第6回】工場・倉庫の相続方法の選択 (単純承認・限定承認・相続放棄の判断ポイント)

工場や倉庫を相続する場合、最初に必ず決めなければならないのが
「相続するのか、放棄するのか」  
という選択です。

住宅の相続であれば「とりあえず相続しておこう」という判断もありますが、工場・倉庫の場合はそうはいきません。
なぜなら、工場・倉庫には

解体費用

設備撤去費用

土壌汚染の可能性

固定資産税
など、見えない負債が多く存在するからです。

今回は、相続方法の3つの選択肢と、工場・倉庫の相続での判断ポイントを整理します。

■相続方法は3つある
相続方法は法律で次の3つに決まっています。

① 単純承認(すべて相続する)
もっとも一般的な方法です。
財産も負債もすべて引き継ぎます。

工場・倉庫の場合、次のようなケースで選ばれます。

工場をそのまま使う

倉庫を賃貸して収益化する

売却して現金化する

土地が広く価値が高い

ただし、負債もすべて引き継ぐため、解体費用や設備撤去費用が高額になる場合は注意が必要です。

② 限定承認(プラスの範囲で相続する)
「プラスの財産の範囲で負債を引き継ぐ」という方法です。

例えば、

工場の土地が2,000万円

解体費用が300万円

借入金が500万円
という場合、プラスの範囲内で負債を処理できます。

工場・倉庫の相続では、
負債が不明な場合に有効  
です。

ただし、

相続人全員の同意が必要

手続きが複雑
というデメリットがあります。

③ 相続放棄(すべて放棄する)
財産も負債も一切引き継がない方法です。

工場・倉庫の相続では、次のようなケースで選ばれます。

建物が老朽化して危険

解体費用が高額

土壌汚染の可能性が高い

固定資産税が重い

設備撤去費用が高い

借入金が多い

相続放棄の期限は
3ヶ月以内  
です。

期限を過ぎると放棄できなくなるため、早めの判断が必要です。

■工場・倉庫の相続で「単純承認」が危険なケース
工場・倉庫の相続では、単純承認が危険になるケースがあります。

●老朽化している工場
解体費用が数百万円〜数千万円になることがあります。

●設備が大量に残っている
設備撤去費用が高額になることがあります。

●土壌汚染の可能性がある
改善費用が数百万円〜数千万円になることがあります。

●固定資産税が高い
土地が広い工場は固定資産税が高額です。

これらを知らずに単純承認すると、
「相続したら負債のほうが多かった」
というケースが実際にあります。

■工場・倉庫の相続で「限定承認」が有効なケース
限定承認は、工場・倉庫の相続で非常に有効な選択肢です。

次のようなケースで使われます。

工場の価値が不明

土壌汚染の可能性がある

設備撤去費用が読めない

解体費用が高額になりそう

借入金があるか不明

限定承認は、
プラスの財産の範囲で負債を処理できる  
ため、リスクを抑えた相続が可能です。

■工場・倉庫の相続で「相続放棄」が最適なケース
次のような場合は、相続放棄が最適です。

工場が危険な状態

解体費用が高額

土壌汚染の可能性が高い

設備撤去費用が高い

固定資産税が重い

借入金が多い

工場を使う予定がない

相続放棄は「逃げ」ではなく、
負債を引き継がないための合理的な選択  
です。

■第6回のまとめ
工場・倉庫の相続では、相続方法の選択が非常に重要です。

ポイントは次のとおりです。

単純承認は負債もすべて引き継ぐ

限定承認はプラスの範囲で負債を処理できる

相続放棄は負債を一切引き継がない

工場・倉庫は「見えない負債」が多いため慎重な判断が必要

相続放棄の期限は3ヶ月以内

次回は、
「工場・倉庫の現状確認(設備・排水・動力・消防・境界)」  
を詳しく解説します。
ページの先頭へ