工場や倉庫の相続では、財産の調査が非常に重要です。
なぜなら、工場・倉庫には「見えない資産」と「見えない負債」が多く、相続人が気づかないまま引き継いでしまうと、後で大きなトラブルになるからです。
住宅の相続とは違い、工場・倉庫には設備・機械・排水・動力・契約関係など、事業用の要素が残っています。
そのため、相続財産の調査は“広く・深く”行う必要があります。
今回は、川口市で工場・倉庫を相続する際に必ず確認すべき「プラス財産」と「マイナス財産」を整理します。
■まずは「プラス財産」を洗い出す
工場・倉庫の相続で最初に確認するのは、次の3つです。
① 土地
川口市の工業地域は土地評価が高く、相続税が大きくなりやすい特徴があります。
特に、青木・弥平・領家などは工場密集地で、土地の広さも100〜300坪と大きいケースが多いです。
確認するポイントは以下のとおりです。
地番
面積
用途地域
前面道路の幅員
接道状況
境界の明確さ
境界が曖昧なまま使われている工場は非常に多く、後の売却でトラブルになることがあります。
② 建物(工場・倉庫)
建物の築年数や構造は、相続税評価にも影響します。
確認するポイントは以下です。
築年数
構造(鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)
増築の有無
建築確認の有無
消防設備の状況
老朽化の程度
川口市の工場は築30〜50年が多く、老朽化しているケースがほとんどです。
③ 設備・機械
工場には、次のような設備が残っていることがあります。
動力設備(三相200V)
排水設備(産業排水)
クレーン設備
コンプレッサー
工作機械
ラック・棚
これらは「動産」として扱われることが多く、相続税評価の対象になります。
■次に「マイナス財産」を洗い出す
工場・倉庫の相続で特に重要なのが、負債の確認です。
住宅と違い、工場には“見えない負債”が多く存在します。
① 解体費用
老朽化した工場の解体費用は、
200〜800万円以上
になることがあります。
アスベストが含まれている場合は、さらに高額になります。
② 設備撤去費用
工場の設備は撤去に費用がかかります。
クレーン設備
排水設備
動力設備
大型機械
コンクリート基礎
これらは、解体費用とは別に追加費用が発生します。
③ 土壌汚染の可能性
工場跡地は、土壌汚染の可能性があります。
特に、金属加工・メッキ・塗装などを行っていた工場は注意が必要です。
調査費用は数十万円、改善費用は数百万円〜数千万円になることもあります。
④ 固定資産税
工場・倉庫は土地が広いため、固定資産税が高額になりがちです。
相続後は相続人が支払う必要があります。
⑤ 事業用の借入金
工場経営者が事業用の借入をしている場合、相続人が引き継ぐことになります。
■財産調査は「一覧表」にまとめるとスムーズ
プラス財産とマイナス財産を洗い出したら、
一覧表(財産目録)
にまとめます。
項目は次のとおりです。
土地
建物
設備
機械
車両
借入金
解体費用の見込み
土壌汚染の可能性
固定資産税
これを作ることで、
「相続するべきか、放棄するべきか」
の判断がしやすくなります。
■第5回のまとめ
工場・倉庫の相続では、財産の調査が最重要です。
ポイントは次のとおりです。
土地・建物・設備を“広く”確認する
解体費用・設備撤去費用・土壌汚染など“見えない負債”を必ず確認する
財産目録を作ると相続判断がスムーズ
相続税の計算にも直結するため早めに着手する
次回
