専門特化は利益率を高める最短ルートだが、商品や加工内容を絞るだけではブランドは完成しない。
専門特化を成功させるためには、顧客の期待に応えるための知識とサービス力が欠かせない。
この二つが不足している会社は、せっかく市場を絞っても、期待外れと判断されてしまう。
まず知識である。
専門特化した分野の知識は、顧客より深くなければならない。
専門店に来る顧客は、一般の顧客よりも知識が豊富であることが多い。
その顧客に対して、曖昧な説明しかできない会社は信頼されない。
例えば、ゴルフクラブ専門店で店員がクラブの特徴を説明できなければ、顧客はすぐに離れる。
町工場でも同じで、専門特化した分野の技術、材質、加工方法、競合の特徴まで理解しておく必要がある。
次にサービス力である。
専門特化した会社は、顧客の課題を解決する存在でなければならない。
商品を揃えるだけでは不十分で、顧客が抱える問題を理解し、最適な提案ができることが求められる。
例えば、試作加工に特化した会社なら、図面の不備を指摘し、改善案を提示できることが重要になる。
ただ加工するだけでは、専門店としての価値は弱い。
サービス力を高めるためには、標準化された対応が必要になる。
見積もりの提出スピード、納品までの流れ、問い合わせへの対応など、顧客が安心して依頼できる体制を整える。
専門特化した会社は、顧客の期待値が高い。
その期待に応えるためには、対応の質を一定以上に保つ仕組みが欠かせない。
知識とサービス力が備わることで、専門特化は本当の意味でブランドになる。
顧客は「この会社なら安心だ」と感じ、価格ではなく価値で選ぶようになる。
専門特化は、商品を絞るだけでは完成しない。
知識とサービス力が加わって初めて、強力なブランドとして成立する。
次回は、専門特化した会社がさらに成長するために必要な「競合研究」の重要性について解説する。
自社だけを見ていては、ブランドは磨かれない。
競合を理解することで、自社の強みがより鮮明になる。
