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第46回 設計者を味方につける会社が勝ち続ける理由

2026年10月30日

第46回 設計者を味方につける会社が勝ち続ける理由

前回、設計段階で改善提案ができる会社は、単なる加工業者ではなく技術パートナーになれると解説した。

では、その提案は誰に向けて行うべきなのだろうか。

多くの町工場の経営者は、購買担当者との関係づくりに力を入れる。

もちろん、それも大切だ。

しかし、仕事を増やし続けている工場を見ると、もっと重要な相手がいる。

それが設計担当者である。

実は、新製品の立ち上げや重要案件の多くは、設計者の意見が大きな影響力を持っている。

購買担当者は価格を見る。

しかし設計者は、

「本当に作れるのか」

「品質は大丈夫か」

「量産時に問題は起きないか」

「開発スケジュールに間に合うか」

を見ている。

つまり、設計者が安心して任せられる会社になれば、競合他社よりも圧倒的に有利になるのである。

私が見てきた優良工場の社長は、設計者との会話を非常に大切にしていた。

彼らは図面が届いたら見積もりだけを返すのではない。

「この公差は本当に必要でしょうか」

「この部分の形状なら加工時間を短縮できます」

「こちらの材質のほうが強度とコストのバランスが良いと思います」

こうした提案を必ず行う。

設計者からすると、これは非常にありがたい。

なぜなら設計者もまた、多くの課題と戦っているからだ。

開発日程は厳しい。

原価低減も求められる。

品質責任も負う。

その中で現場目線の提案をしてくれる会社は貴重な存在になる。

そして一度信頼関係ができると、大きな変化が起きる。

新しい案件が出たとき、

「まずあの会社に相談しよう」

となるのである。

ここが重要だ。

見積依頼が来る時点では、すでに勝負が始まっている。

だが相談が来る段階まで入り込めると、競争そのものを避けられる。

価格競争はなくならない。

しかし、相談される会社と見積だけ出す会社では立場がまったく違う。

設計者が味方になれば、

試作の仕事が増える。

改善案件が増える。

量産案件が増える。

そして他部署にも紹介される。

顧客内部で自然に横展開されていくのである。

逆に設計者との接点がない会社はどうなるか。

図面が来る。

見積もりを出す。

価格で比較される。

受注できるかどうかは運次第。

この状態から抜け出せない。

だから設計者との関係構築は、単なる営業活動ではない。

経営戦略そのものなのである。

では、どうすれば設計者から信頼されるのか。

答えは難しくない。

約束を守ることだ。

納期を守る。

問題が起きたらすぐ報告する。

改善案を持っていく。

分からないことは正直に聞く。

特別な営業テクニックではない。

当たり前のことを徹底するだけである。

実際に信頼されている町工場ほど、派手な営業はしていない。

誠実に対応し続けているだけだ。

しかし、その積み重ねが十年後、二十年後には大きな差になる。

設計者の信頼を得た会社は、新製品開発に呼ばれる。

新製品開発に呼ばれる会社は、顧客の未来に入り込める。

そして顧客の未来に入り込んだ会社は、簡単には代替されない。

町工場が目指すべき姿はそこにある。

加工を依頼される会社ではなく、最初に相談される会社になることだ。

それが利益率を高め、価格競争から抜け出し、長く生き残るための最短ルートなのである。

次回予告

次回は、

「試作品で利益を考えてはいけない理由」

について解説する。

試作は儲からない。

そう考える経営者は多い。

しかし繁盛している工場ほど、試作案件を最重要視している。

なぜ試作が将来の大きな利益につながるのか。

町工場経営の重要な考え方をお伝えしたい。す。
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