年間計画ができると、顧客との関係を長期で設計できるようになる。
しかし、計画を「実行し続ける」ためには、進捗を数字で管理する仕組みが必要になる。
そこで登場するのが 顧客別KPI(重要指標) である。
KPIは、深掘り・専用化・代行がどれだけ進んでいるかを“数字で見える化”するための指標。
これがある会社は、顧客との関係性を感覚ではなく、データで強化できる。
1. KPIは「顧客の未来計画」から逆算して設定する
KPIは、顧客の未来から逆算して決める。
例:
新製品開発が増える → 試作対応数
生産量が増える → 専用段取りの導入数
外注管理が複雑 → 外注統合率
手戻りが多い → 図面チェックの改善率
品質課題がある → 不良率の改善幅
顧客の未来に合わせてKPIを設定することで、
「何をどれだけ進めれば良いか」
が明確になる。
2. KPIは「深掘り・専用化・代行」の3カテゴリで設定する
KPIは次の3カテゴリで設定すると、抜け漏れがなくなる。
■① 深掘りKPI(まだ取れていない仕事を取る指標)
例:
依頼されていない工程の獲得数
顧客の課題ヒアリング件数
改善提案の実行数
新製品の試作参加率
外注マップの更新頻度
深掘りは「どれだけ顧客の業務に踏み込めたか」を数字で管理する。
■② 専用化KPI(顧客専用の仕組みをどれだけ作れたか)
例:
専用段取りの導入数
専用検査項目の追加数
専用材料ストックの整備率
専用管理シートの更新数
専用連絡ルールの整備数
専用化は「顧客が離れなくなる仕組み」をどれだけ積み上げたかを数字で管理する。
■③ 代行KPI(顧客の業務をどれだけ引き受けられたか)
例:
前工程の代行数
後工程の代行数
外注管理の統合率
顧客の手戻り削減率
顧客の業務負担削減量
代行は「顧客の業務をどれだけ肩代わりできたか」を数字で管理する。
3. KPIは「四半期ごと」に設定すると実行しやすい
年間でKPIを設定すると抽象的になりすぎるため、
四半期(3か月)ごと に設定するのが最も効果的。
例:
Q1:改善提案を3件実行
Q2:専用段取りを2件導入
Q3:外注管理の代行を1件開始
Q4:専用検査項目を5つ追加
四半期で区切ることで、
「今期は何を達成すべきか」
が明確になる。
4. KPIは「定期ミーティング」で毎月チェックする
KPIは作って終わりではなく、
毎月のミーティングで進捗を確認する。
これにより、
深掘りが止まらない
専用化が継続的に進む
代行の範囲が自然に広がる
顧客単価が毎月上がる
という状態になる。
KPIは“継続的な成長を強制する装置”になる。
5. KPIがある会社は、顧客との関係が数字で積み上がる
KPIを導入すると、会社は次の状態に入る。
深掘りの進捗が数字で見える
専用化の効果が数字で分かる
代行の範囲が数字で管理できる
顧客単価が計画的に上がる
顧客が離れない
経営判断が迷わない
成長が止まらない
KPIは、町工場の成長を“数字で積み上げる”ための最強の仕組みである。
次回予告
次回は、KPIをさらに強化するための
「顧客別ダッシュボードの作り方」
について解説する。
