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連載第9回 専門特化は町工場が利益率を高める最短ルート

2026年09月16日

連載第9回 専門特化は町工場が利益率を高める最短ルート

町工場の経営者と話していると、市場を絞ることに強い抵抗を示す人が多い。
「うちは何でもできる」
「専門特化したら売上が減るのではないか」
「断ったら顧客が離れるのではないか」
こうした不安から、結果として広く浅く仕事を受け続け、価格競争に巻き込まれてしまう。

しかし、専門特化こそが利益率を高める最短ルートである。
理由は三つある。

一つ目は、強みが際立つことだ。
広く仕事を受けている会社は、顧客から見れば「何でもできるが、特別強いものはない会社」に映る。
逆に、専門特化した会社は「この分野ならこの会社」と認知される。
認知が変わると、価格ではなく価値で選ばれるようになる。

二つ目は、効率が上がることだ。
専門特化すると、設備の使い方、段取り、加工の流れが標準化される。
結果として、同じ時間でより多くの仕事をこなせるようになる。
広く仕事を受けている会社は、案件ごとに段取りが変わり、効率が上がらない。

三つ目は、遠方から顧客が集まることだ。
専門店は、商圏が広がる。
タイ料理を食べたい人は、近くのファミリーレストランではなく、多少遠くても専門店に行く。
ゴルフクラブを買う人は、ホームセンターではなく専門店に行く。
町工場でも同じである。
専門特化した会社は、商圏が広がり、遠方から問い合わせが来るようになる。

専門特化は、売上を減らすどころか、むしろ増やす。
そして、利益率はさらに高くなる。
市場を絞ることを恐れる必要はない。
むしろ、絞らなければ強みは際立たず、価格競争から抜け出せない。

次回は、専門特化を成功させるために欠かせない「知識とサービス力の強化」について解説する。
商品だけ揃えてもブランドは作れない。
顧客の期待に応えるために必要な準備を示したい。
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