048-254-1811

営業時間 9:00~17:00
定休日 土曜日 日曜日

連載第7回 STP分析で「誰に」「何を」「どの立ち位置で」提供するかを決める

2026年09月14日

連載第7回 STP分析で「誰に」「何を」「どの立ち位置で」提供するかを決める

ブランドを作るためには、まず自社がどの市場で戦うべきかを明確にする必要がある。
そのために有効なのが、マーケティングの基本であるSTP分析である。
STPとは、Segmentation、Targeting、Positioningの三つの頭文字を並べたものだ。
町工場が価格競争から抜け出すためには、この三つを丁寧に行うことが欠かせない。

最初のS(Segmentation)は、市場の細分化である。
加工業界と一言で言っても、切断、曲げ、溶接、研磨など、細かく分ければ全く違う市場になる。
配送業でも、大口配送、小口配送、重量物配送、流通加工付き配送など、細分化すれば顧客層は大きく変わる。
市場を大きな塊で捉えている限り、自社の強みは見えにくい。
細分化することで、どこに勝てる余地があるのかが見えてくる。

次にT(Targeting)。
細分化した市場の中から、自社が最も勝てる場所を選ぶ工程である。
中小企業は資源が限られているため、広い市場を狙うと必ず負ける。
設備、人材、営業力、地域など、自社が持つ資源を最大限に活かせる市場を選ぶことが重要になる。
例えば、小型トラックが多い配送会社なら、小口配送に特化するほうが効率が良い。
夜間に動ける人員がいるなら、深夜配送に特化することで高単価を狙える。

最後にP(Positioning)。
選んだ市場の中で、どの立ち位置を取るかを決める工程である。
競合他社の価格、品質、納期、対応力などを比較し、自社が最も優位に立てるポイントを見つける。
例えば、競合が納期に弱いなら、納期特化で勝負する。
品質が不安定な会社が多いなら、品質保証を強みにする。
自社の強みが最も輝く場所を選ぶことが、ブランドの核になる。

STP分析を行うことで、誰に、何を、どの立ち位置で提供するかが明確になる。
この三つが曖昧な会社は、必ず価格競争に巻き込まれる。
逆に、STPが明確な会社は、価格以外の理由で選ばれるようになる。

次回は、STP分析を実際の町工場に当てはめた具体例を紹介する。
抽象的な理論が、どのように現場で使える形になるのかを示したい。
ページの先頭へ