048-254-1811

営業時間 9:00~17:00
定休日 土曜日 日曜日

【第6回】排水トラブル

2026年09月13日

【第6回】排水トラブル

工場や倉庫を貸し出す際、設備トラブルの中でも特に負担が大きくなりやすいのが「排水」に関する問題です。埼玉県川口市周辺は古い工場が多く、排水設備が建築当時のまま使われているケースも珍しくありません。借り手の事業内容と排水設備の現況が合わないと、操業開始後に大きなトラブルへ発展します。

排水トラブルが起こる典型的なケースはいくつかあります。

まず、排水の種類が事業内容に合っていないケースです。古い工場では、雑排水と汚水の区別が曖昧なまま使われていることがあります。借り手が「水を使う軽作業だから問題ない」と考えていても、実際には排水量が多かったり、油分を含む排水が出たりする業種もあり、既存の排水設備では対応できないことがあります。契約後に「排水が使えない」と判明すると、追加工事の費用負担を巡って所有者と借り手の間で揉めることがあります。

次に、排水管の老朽化です。築年数が40年以上の工場では、排水管が劣化しており、詰まりや漏水が起こりやすい状態になっていることがあります。借り手が操業を始めてから排水トラブルが発生すると、修繕の範囲や費用負担を巡ってトラブルになりやすく、事業の停止につながることもあります。

さらに、排水の許可関係が整理されていないケースもあります。製造業の中には、排水に関する届出や許可が必要な業種がありますが、古い工場では「以前の入居者が問題なく使っていた」という理由で、許可関係が曖昧なまま引き継がれていることがあります。借り手が届出を行おうとすると、設備が基準に合っていないことが判明し、所有者側に改善を求められることがあります。

排水トラブルを防ぐためには、契約前の確認が欠かせません。

所有者が排水設備の現況を把握し、排水の種類、排水管の状態、排水経路を整理しておくことで、借り手の事業内容との適合性を判断できます。また、借り手に事業内容を具体的に説明してもらい、排水量や排水の性質を確認することで、設備負荷を事前に把握できます。

さらに、契約書に排水設備の現況と使用条件を明記しておくことで、トラブル発生時の対応がスムーズになります。曖昧なまま契約すると、所有者が不利になるケースが多いため、事前の整理が重要です。

排水は、設備不足や騒音と並んで、所有者が最も注意すべきポイントです。事前の確認と情報整理によって、多くのトラブルを防ぐことができます。

次回は、消防設備の不適合について解説します。えてくる。
ページの先頭へ