SMARTの法則は理論として理解しても、実際に使ってみないと効果を実感しにくい。
今回は、抽象的な願望を、行動できる具体的な目標へと変換する過程を示す。
町工場の経営者がよく口にする願望に「売上を伸ばしたい」がある。
しかし、この言葉のままでは行動につながらない。
ここからSMARTの五要素を使って、達成できる目標へと変えていく。
まずS(Specific)。
売上を伸ばしたいではなく、月商を三割増やす、粗利率を五ポイント上げるなど、数字で表す。
具体性が生まれると、何を改善すべきかが見えてくる。
次にM(Measurable)。
達成したかどうかを判断できるようにする。
例えば、月商を三割増やすなら、現状の月商が五百万円なら六百五十万円が目標になる。
数字があると、進捗が明確になる。
三つ目はA(Achievable)。
現状の設備、人員、顧客数を踏まえて、現実的に達成可能かを確認する。
一気に倍増を狙うと非現実的になり、行動が止まる。
三割増なら、改善の余地がある会社が多い。
四つ目はR(Related)。
自分の価値観に沿っているかを確認する。
例えば、利益を重視したい経営者なら、売上より粗利率改善を目標にするほうが合っている。
他人に影響されて決めた目標は続かない。
最後にT(Time-bound)。
期限を決めることで行動が加速する。
三か月以内に達成する、半年以内に達成するなど、期限を明確にする。
これらをまとめると、次のような目標になる。
三か月以内に月商を五百万円から六百五十万円に引き上げる。
このようにSMARTの五要素を満たすと、抽象的な願望が具体的な行動計画へと変わる。
次回は、目標を設定した後に必ず必要となる「行動計画の作り方」について解説する。
目標を立てただけでは会社は変わらない。
行動に落とし込む方法を示したい。
